健康体力研究所

健康と長寿を約束する食事方法 vol.210

kenkou

vol.18「痛風をコントロールする食事法」

筋トレする人の宿命

痛風は血液中に溶けている尿酸の量が多くなりすぎ、白いガラスのような結晶になって、関節部分に溜まってくる病気です。その部分に炎症が起こり、「風が吹いただけで痛い」というほど強い痛みを感じます。
痛みは足の親指の付け根に特に多く出ますが、単に痛いだけでなく、腎臓や血管壁、皮膚の下などにも尿酸が蓄積し、腎臓の機能低下や高血圧、心臓病など、合併症を起こします。こちらのほうが心配になります。
人間のカラダには、約1g(1000mg)の尿酸が常に蓄積されています。毎日600mgほどが生成され、600mgほどが排泄されています。生成される尿酸のうち、食事由来は100mgほどで、残り500mgは自分の体内の新陳代謝で作られます。
特に筋トレを実行し、古い筋肉細胞を壊しては新しい筋肉細胞に作りかえる場合、その入れ替わりが激しいほど、核酸内にあるプリン体が増えて尿酸も増えます。また、エネルギー生成に必要なATPが多くなるほど尿酸が増えると言われます。
つまり、筋トレをする人は痛風の危険と常に隣り合っているのです。また、痛風患者の95%が男性です。女性はエストロゲンという女性ホルモンが尿酸を溶かして体外に排泄する能力があるためです。

食事にどの程度注意すれば良いか?

血液検査で尿酸が100ml中に7mg以下なら心配はいりません。ただ、痛風発作を起こしているときは例外なく尿酸値が異常に高くなっています。7mgを超えていたら、いつ痛風発作を起こすか危険な状態です。「尿酸を作る材料はプリン体。ビールやレバー、数の子や明太子、小魚や干物はプリン体が多いので痛風の人は食べてはいけない」などとよく耳にします。けれども前述したように食事に由来する尿酸量はそれほど多くないのです。少しくらいなら食べても大丈夫です。次の8つを守るだけで良いのです。
①食事の全体量(カロリー)を少なめにする。メタボには絶対ならないようにする。
②砂糖や果糖を摂り過ぎない。
③動物性脂肪を摂り過ぎない。
④野菜、海藻類、きのこ類は多くとる。
⑤ビールだけでなくアルコール全体を飲み過ぎない。
⑥プリン体の多い食品を食べても良いが、
一度に多く食べ過ぎない。
⑦尿酸の排泄を多くするために水をなるべく多く飲む。
⑧塩分は少なめにし、代わりにダシや酢を使う。

私の体験から分かったこと

実は私自身、40才のときから痛風患者です。母の家の引っ越しで3日連続して重い荷物を運び、そのストレスにより足の親指に激痛を生じてしまったのです。強い精神的なストレスこそ、痛風を起こす真の原因です。
幸いなことに、痛風の最先端を行く病院で薬を処方され、ひどい痛みはコルヒチンという薬で解決できました。尿酸値が9mgだったので、尿酸の生成を抑制する薬を飲みました。薬には生成を抑えるタイプと尿酸の排出を促進するタイプがあります。尿酸値が7mg以下に下がった今でも、朝に1錠だけ「ザイロック」という尿酸抑制の薬を飲んでいます。服用を中止したら尿酸値が上昇します。合併症を抑えるために仕方ありません。
食事は前述のとおりで、特にビールや干物などをやめたりしていません。もちろん、筋トレもマイペースで実行しています。お陰さまで毎日が絶好調です。

 


野沢秀雄
のざわ・ひでお ●1940年、京都生まれ。京都大学農学部、東京衛生学園鍼灸科卒業。健康体力研究所を創立し、現在顧問。主な著書に、「自己トレーニング法」(青春出版社)、「一週間でやせる本」(永岡書店)、「リアルエイジがわかる本」(永岡書店)、「スクワット超健康法」(講談社)。最新刊として「体の中から柔らかくすれば必ずやせて、病気にならない―野沢式やわらか体操」(ベストセラーズ)がある。

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