ブックタイトルKentaiNEWSvol224

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概要

KentaiNEWSvol224

「大胸筋下部のディテールを演出するのに最適な種目=ディップス」で角田のヒジは悲鳴を上げた。合戸孝二の愛のこもった指導に悶絶する角田。 それは毎年恒例、合戸孝二を囲んでの新年会の席でのことだった。合戸が何気なく、一人愚痴るかの如く「俺のトレーニングを全部こなしたのは、岡田先生だけかなぁ」と、こぼしたのだ。岡田先生とは本誌にもコラムを執筆されている、バズーカ岡田の愛称で親しまれている日本体育大学准教授の岡田隆先生のことである。それを聞いて面白くない顔をしているのは正道会館空手最高師範、2015年からボディビル大会にも出場している角田信朗である。実は合戸と角田、共に1961年4月生まれで誕生日は僅かに10日違いの丑年同学年である。酒の勢いも手伝って角田は「そんならね、自分、連休明けに合戸さんとこで合宿張りますわ!」とその場の勢いよろしくブチ上げたのである。2018年2月の藤枝合戸会でのことだった。漢二人の熱き想い 2月の会合からおよそ3ヶ月後、ゴールデンウィーク直後の月曜日、藤枝マッスルハウスの駐車場に大阪ナンバーの車に乗った角田の姿があった。「僕には『いつか合戸さんと同じ舞台に上がりたい』っていう夢があって、幸運にも去年、全日本選手権でその夢を果たすことが出来たんですよ。でも、片や怪我から復活して4位入賞。それに比べて僕は比較しても貰えないような不甲斐無さだった。そんなこともあって『もっと頑張ってカラダ変えなきゃ!』っていう思いから、合宿張ることにしたんだよ。もちろん、合戸さんのトレーニングがキツいのは承知している。だから、それに負けないために考えられる強化策を自分に課して、準備していたんだよね。そしたらさ、やっちゃったんだよ・・・」強化策が悪い方向に転げ、左上腕三頭筋のヒジ部分を部分断裂してしまったらしい。「押す動作」に全く力が入らないので「胸・肩のプレス系」は回避せざるを得ない。やってしまったものは仕方ない。悪化させないことが肝心だ。 初日は、背中である。まず第一種目、合戸の十八番である「トップサイド・デッドリフト」で戸惑った。最高重量に設定したシャフトが、滑り落ちるのだ。「これを使うといい」と合戸が差し出したのはダース売りの園芸用手袋だ。36年間に渡り、24時間トレーニングのことばかりを考えて来た合戸の英知が、そこには輝いていた。「勉強になります!」と涙を浮かべる角田。「カクちゃんにはとにかく大会で勝って欲しい!」とエール全開だ! 無事に初日の背中をクリアし、二日目「地獄の脚トレ」がやってきた。地獄の一丁目、まずはエクステンション。その昔、マッスルハウス開業に合わせて手造りした「世界に一台、そして世界で戦う脚をつくったマシン」が、これだ! 蹴り出しトルクが強力で、経験者の岡田先生も「これ、大腿直筋にじかに来る!」と絶賛する代物!「自力10発+ドロップ3回ね!」という合戸の掛け声で本番スタート!セットが進む毎に角田の顔が歪み、ひしゃげる!「うわ~! なんやこれ! このマシン嫌い! 嫌いだけど好き! 」早くも筋肉の限界点を越えた角田の脳内はエネルギーゼロで思考が停止したか?! その後、レバレッジ・スクワット、プレス、ハックときて、仕上げに登場したのがまたしてもエクステンション。嫌いなマシンの再来に「そうきたか・・・・」と角田は茫然自失の放心状態。それでも地獄からの生還を見事に果たした。一旦解散後に夕食&反省会が催されたが、そこに遅刻して来た特別指導で肉体改造 !!合戸孝二角田信朗特別レポートK o j i G o d o N o b u a k i K a k u d a10