ブックタイトルKentaiNEWSvol226

ページ
11/20

このページは KentaiNEWSvol226 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

KentaiNEWSvol226

阪での大会には500名を越す参加者が二日間会場を盛り上げました。フルギアでのベンチプレスは、以前は本流でしたが、扱う重量が飛躍的に重くなることで危険が増すこと、そのために練習場も限られてくること、お金も掛かることなどから『選ばれた人の競技』に変化しつつあるようです。そんな中で、山本さんは5月に成田で行なわれる世界大会にノーギアでの出場を予定し、そこで世界大会記録の125・5㎏、あるいは日本記録の132・5㎏を越える記録を狙っています。いつまでも上を目指す気持ちこそが「元気の源」であるように感じました。ありがとうございました!Y実は、その新潟の大会で僕と全く同じような失敗をした選手がいたんですよ。その人も失格しているんですが『1月のノーギアのベンチ大会に出る』っていうんですね。どうしてか尋ねたら『5月に世界大会が日本で行なわれるなら是非出たい。フルギアは失格したので、少しでも可能性があるならノーギアの出場権を得るために1月の予選に出ようと思う』という話でした。それを聞いて、何と言うか希望が涌いてきたんです。ベンチを止めるんではなくてスーツを脱いで挑戦すれば良かったんですよ!M成田で5月に行なわれる世界大会に違う部門、フルギアからノーギアに切り替えて出場するという考えですね。Yそもそも、今回の世界大会では、今まではフルギアとノーギアは別開催だったんですが、同時開催になります。フルギアは失格しているので選択権なくノーギアへ出場になります。しかし、最近のノーギアの記録もないし、まずは予選である全国大会に出るために地方大会で標準記録を取らなくてはならなくなりました。あとでよく探したら長野でベンチの大会があったんですけど、埼玉県パワーリフティング大会というのがあったんで、それで標準記録を出して、1月のクラシックベンチに出場することにしました。M5月に成田で開催される世界ベンチプレス大会に出るための予選会である、1月のクラシックベンチ大会に出場するために、今までやってなかったスクワットとデッドリフトをやって、パワーリフティングの大会でベンチの標準記録を樹立しようということなんですね。Y僕が出場するのはM4というクラスで、正直なところ標準記録っていうのはないんですが、それでも『この一年間試合に出たこともない人していましたから、『170㎏は挙げて当たり前、そこまでの重量はアップだ!』くらいに思ってたんですよ。慢心ですね。それで新潟で失格になってしまいました。Mどのように失格になったか詳しく聞かせて下さい。Yことの顛末はこうなんです。ベンチの大会では3回試技ができます。セオリーとしては、最初は手堅く、あとの二本が失敗してもいいように確実に挙げられる重量で記録を出しておく、ということが重要なんです。去年の4月に南アフリカの世界大会に出場して160㎏の世界記録を出したときにも、一発目は155㎏で申請していたものを150㎏に落して、確実に挙げてから第二試技で世界記録となった160㎏を挙げ、第三試技で1対2で失敗はしましたが、170㎏に挑むことができたんです。だからこのときにも150㎏からスタートすれば良かったんですけど『155㎏?150㎏でも何でも一緒だよ。いいよ155㎏で』という、どこか不遜な気持ちで第一試技の155㎏という重量を決めて『軽く挙がるはずの155㎏』を失敗しちゃったんです。155㎏が挙がらなかったのだから、今一度同じ重量でやるべきでしたが、相手もいたので157・5㎏に上げたんです。そしたらそれも失敗。もう完全に頭は真っ白でしたね。もう一度157・5㎏に挑戦しましたが、時すでに遅し、それも失敗して失格してしまいました。非常に落ち込みましたね。ベンチはもう止めようかと思ったりもしました。Mやはり170㎏を挙げているということが、このときは自信としてではなく、過信として出てしまったんでしょうかね。悪いことって重なるものですね。それで、どうしましたか?が全国大会には出られないよ』っていうことで一応の記録は取る必要があったんです。M山本さんはベンチプレッサーであって、今までスクワットやデッドリフトはやってないんですよね?Yそうなんですけど、好きなベンチのためだから頑張りましたよ。Mそれでパワーの大会での記録はどのくらいだったんですか?Y大会ではスクワットもデッドも110㎏でベンチはノーギアで120㎏でした。スクワットも、デッドも同じジムのパワーの人に教えてもらって、審判員もやっているのでそういうのも役に立ちましたよ。これで予選会であるクラシックベンチの出場権を得た山本選手。大会に向けて照準が絞られていました。そして見事、大会では127・5㎏を挙げて優勝しました!優勝後にお話を聞くことができました。M優勝おめでとうございます!会心のベンチでしたね!Y素晴らしいセコンドや応援してくれたみんなのお陰で優勝することができました!ありがとうございます!本当にドラマチックな一日でした。すんなりと優勝させてはもらえないんですね。予定よりも2時間も押したこともあってアップの時間を合せたりするのがとても難しかったです。でも、これが世界大会ではないので記録としては認められないのですが、現在の世界記録である125・5㎏を上回る127・5㎏という記録で優勝できたことは素直に嬉しいです。これで5月のワールドクラシックベンチへの出場権を得ましたので、精進してゆきたいと思います!現在、市営のジムとかでも誰でも簡単にできるノーギア・ベンチの人気はとても高く、この大●岡部みつる(文・写真)東京都出身20歳過ぎでボディビルに出合い池袋にあるジムへ通う。昭和の終焉に「本場でトレーニングしたい」と決意し渡米。20年間アメリカで暮らす。在米中はリポーター、そして写真家として活躍、93年にはマスキュラーデベロップメント誌のチーフ・フォトグラファーとして年間契約。96年から始めたビデオ「オリンピアへの道」は選手から「大会自体よりもこのビデオに出たい!」と評判に。2008年に帰国し現在は静岡県内の山中に暮らす。1992年Mr.ロサンゼルス・ライト級優勝。M4クラス74㎏級の表彰式。右から小城専務理事、2位諸星選手、優勝山本選手、3位三木選手、佐々木JPA会長(写真提供:物江毅)元気の源11