ブックタイトルKentaiNEWSvol227

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概要

KentaiNEWSvol227

07 バズーカ岡田の筋肉学談を受ける機会がとても増えています。なかでも頻度が高いのが「頑張っているのに、カラダが思うように変わっていかない」というもの。 断言します。熱心にボディメイクに取り組んでいる人であれば「トレーニング量が足りない」ということは、よほどのことがない限りは起こりません。なのに、どうして思うようにカラダが育っていかないのか。それは、食事に対する認識の甘さがあるからです。 お悩みの方は、特に覚えておくといいでしょう。いいトレーニングは、整った食事があってこそ。トレーニングをする前には、しっかり栄養をカラダのなかに取り入れます。目的は、はじめの1レップから最後の1レップまで、途切れることなく筋肉に栄養という名の材料を送り続けるため。そして、エネルギーを使い切ったところで、速やかにトレーニング後の食事をとる。目的は、カラダ(筋肉)の回復と成長です。 まず、食事をとる目的を考える。それから、目的を果たすためには「何を」「どのように」して食べたらよいのかを考えて、実行へと移すのです。旬の野菜で、除脂肪を楽しめ! ボディメイクにおける目的は人それぞれなので一概には言えませんが、おそらく多くの場合「除脂肪」=「脂肪を削り、筋肉を大きく育てる」なのではないでしょうか。では、ここからは除脂肪を目指すときの食事について、より具体的にお話していきましょう。 基本構成は「タンパク質+炭水化物+食物繊維」です。ここでお気づきの方もいるかと思います。少し前まで、私は「三大栄養素」を軸に考えていました。もちろん、今でも軽視はしていません。三大栄養素に含まれる脂質に関しては、魚などのタンパク質食品を食べるときに一緒に摂取できる場合が多いので、意識する必要はないという解釈です。むしろ、除脂肪を狙うのならば(不要分は)意識的に排除するべきですからね。 そのため、基本構成には「食物繊維」を入れています。食物繊維=野菜や穀物、と認識しておけば間違いありません。これは私自身の経験談でもあるのですが、本気のボディメイクを始めると、タンパク質摂取や糖質・脂質の制御にばかり気をとられてしまいます。 限りある大切な胃のスペースを“葉っぱ“ごときに譲るのか……。1グラムでも多くタンパク質や糖質を摂ってデカくなりたいのに……。とお思いの方も、多いことでしょう。気持ちはとってもわかります。それでも「野菜や穀物を摂りましょう」と私は繰り返しお伝えします。 その理由はいくつかあります。ひとつは、それらが保有するビタミン・ミネラル、食物繊維はダイレクトにカラダを作るわけではありません。しかし、三大栄養素の代謝をよくするため、生理機能を正常化するために必要不可欠なのです。 もうひとつは、食事に野菜を加えることでカサを増すことができるのです。そんなこと!と笑いますか?落ち着いて考えてみてください。摂取カロリーを抑えながら満腹感を高めることができるのですよ?食物繊維も摂れるため、減量時に陥りやすい便秘解消にも一役買います。 参考までに、かつては「野菜不要説」を唱えていた私が開眼したキッカケは、減量期間中に野菜を口にしたことにありました。瑞々しく、甘さもある。大げさではなく、感動を覚えたのです。特に旬の野菜の美味しさは格別です。「食事とは、カラダに栄養を送り込む行為」と前述しましたが、旬の野菜をいただくことはシンプルに「楽しむ行為」です。減量に対して、苦しさやつらさばかりを感じているのならば、ぜひ一度試してみてほしいです。食物繊維の力を減量期の味方に 最後に、穀物についても触れておきます。穀物(※精製されていないもの)の素晴らしい点は、野菜よりもビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に摂れるところにあります。 そういえば、なぜ食物繊維を積極的に摂るべきかについての説明が漏れていました。食物繊維を豊富に摂取すると、体内では糖質と脂質の吸収スピードが緩やかになるからです。吸収スピードが緩やかになると、血糖値の上昇速度もゆっくりになるばかりか、腹もちがよく、食欲が抑えられて無駄な間食がなくなります。結果的に、無計画な栄養摂取(キレ食い)をしなくなるのです。 また、食物繊維には体内に取り込んだ菌の発酵を促進し、腸内環境を整える働きがあるのです。咀嚼のお話の時にも書きましたが、私たちの栄養素の入り口は小腸です。つまり、吸収効率が上がってカラダに変化が起こりやすい状態になるのです。 私は、昨年(2018年)から「スーパー大麦」と呼ばれる食物繊維が豊富に含まれる穀物を食事に取り入れているのですが、大げさではなく「気がついたらもう次の食事の時間」と、空腹を覚えることなく過ごすことができています。それによって「食べたいのに、食べられない」という減量期特有のストレスもなくなり、かつてないほどスムーズに除脂肪をすすめることができたのです。 生きている以上、食べることは一生です。そして、私はボディメイクというものも、本質的には同じ、一生ものだと思っています。むやみに口にするものに制限をかけて、自分で自分の首を絞めてしまうような除脂肪では、いつかは無理が生じてしまいます。 さあ、ボディビルシーズンはもう目の前。減量期間中の方々にも、何かしらご参考になることがあれば……という思いを込めて、今回はこの辺りで失礼いたします。Mitsuru Okabec