Kentai NEWS
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最終回 「タンパク質を再認識しよう」長い間のご愛読、本当にありがとうございました。お陰様で私の方は少しずつ回復し、元気になっています。皆々様の健康とご活躍を心から祈っています。ぜひ、がんばってください!ol.43■「ためしてガッテン」 で話題に■意外なリリーフ、水産ねり製品■大きく伸びているプロテイン需要■SDGsにも貢献する大豆タンパク筋肉増強の目的で、筋トレ前後や夕食時、就寝前にタンパク質を多めに摂ることは常識になっています。けれども朝食時には時間があまり無くてしっかりタンパク質を摂れていない人が多いのではないのでしょうか?2021年11月17日放送のNHKの人気番組「ためしてガッテン」で「朝たん」として朝食時に20g以上のタンパク質を摂れば筋肉の減少を防ぎ、筋力、体力が増すことが証明されていました。若い勤労世代だけでなく、健康長寿を願う高齢者にも朝食時に毎日20gのタンパク質が必要と強調されていました。筋トレする人なら毎朝30~40g必要と考えられますが、現実となると、焼き魚アジ1匹(約13g)、卵1個(6g)、牛乳1杯(3g)を食べてもまだ不足するので、プロテインで補うことが必要になります。冬の寒い季節に好まれる「おでん」。その材料(具)になっているさつま揚げ、焼きちくわ、はんぺん、つみれ、ごぼう巻き、がんもどきなどにタンパク質が意外に多く含まれています。100gあたり、10gから12gもタンパク質が摂れるのです。また、蒲鉾やカニカマ、魚肉ソーセージなどにも12gくらい良質タンパク質が含まれています。これら水産ねり製品は安価なスケトウダラなどの魚肉をすりつぶし、圧縮し、水分を抜いているので高タンパクになるのです。カニカマは「偽物の食品だ」と日本でこそ評価されにくいのですが、フランスなど海外では「コレステロールの心配がない高タンパク優良食品」として大歓迎されています。おでんなどとプロテインを組み合わせれば経済的にもラクに高タンパクが得られます。2021年11月13日の朝日新聞に「増加しているプロテインパウダー消費量」という記事が掲載されています。2010年は年間300億円だった消費量が2021年は800億円にも増えているというニュースです。「筋トレを実行してカラダを変えたい」「コロナ太りを解消したい」などという要望が多くなったためといわれます。けれども実際にプロテインがこれほど伸びたのはタンパク質を安く得られる事実があるからだと私は確信しています。タンパク質6gを摂るためには牛肉ヒレ赤身なら30g必要で費用は144円、まぐろ赤身なら25gで200円、豚バラ肉なら40gで120円、さけ切り身なら30gで50円、チーズ28gで50円、卵1個50gで30円とかなり高額ですが、プロテインパウダーならホエイ7gで48円、大豆(ソイ)なら7gで20円と割安になるのです。地球上に発生する炭酸ガスが温暖             v          化を促進するために多くの方法で持続可能な経済発展目標(SDGs)が叫ばれています。タンパク質を得るための畜産業で牛や豚が出す息が地球環境を悪化していることを重視し、大豆から得たタンパク質で肉の代用品を製造する事業が拡大中です。私が明治製菓(現・株式会社明治)で大豆タンパク質を研究していた40年も前に「ハンバーグに何割ほど大豆タンパクを混入してもわからないか?」をテーマにしたことがありました。ごく少数だったのです。その結果共同研究した原材料メーカーは多くのハンバーグ生産工場やハンバーグ店に大豆代用肉を販売していました。今も続いているはずです。むしろ最近は「ビーガン(菜食主義)専門店」として大豆代用肉であることを誇示する風潮さえ生まれています。(のざわ・ひでお)07●1940年、京都生まれ。京都大学農学部、東京衛生学園鍼灸科卒業。明治製菓(現・株式会社明治)にてプロテインの開発に携わり、その後健康体力研究所を創立し、現在顧問。主な著書に、「内臓から強くする自己トレーニング法」(青春出版社)、「自己トレーニング法」(青春出版社)、「一週間でやせる本」(永岡書店)、「リアルエイジがわかる本」(永岡書店)、「スクワット超健康法」(講談社)。最新刊として「カラダをもっと強くする」(日本文芸社)がある。  20%でも30%でも識別できる人は野沢秀雄健康と長寿を約束する食事法

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