Kentai NEWS
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360kg の390kg でした。しかし、いつも練習した後の帰りの電車で気持ち悪くなっちゃって、カラダにかなりの負担を感じていたんで「これは3種目続けるのは厳しいなぁ」と思ってベンチに専念するようになりました。55歳くらいのときだったと思います。ベンチに専念するようになってからは、一週間に一度の練習に抑えました。ジムに到着したら、グリップの持ち方、足の置く位置、胸の高さなどの自分のフォームを軽い重量を使ってしっかりと確認して、それから徐々に重量を上げて行くという感じですね。ジムで練習する際にも最後はきちんとスーツを着てやります。今回の世界選手権の前にも115kg まで挙げていたんで、大会でも110kg は挙げられるだろうと思っていたんですけど、やっぱり大会となるとそう簡単には行きませんよね。M:それは、どういったところがうまく行かなかったんですか?S:今回ものすごく暑くて、汗ダラダラで調子が狂いましたね。最初の97·5kg をら主審が赤旗で、その辺からちょっとおかしくなっちゃったかな。M:何れにしても、世界大会で20連覇という、とんでもない偉業を達成されているわけですが、はじめた当初は想像していましたか?S:全くしてない!M:そこまで澤選手を惹き付ける魅力って何だと思いますか?S:一年に全日本選手権があって、それが終わると今度は世界選手権がやってくるわけですよ。やはり大会があると、それに向けて週に一回の練習でも緊張感が出ますよね。全日本が終わって世界、っていう年間を通じてのローテーションのようなものが出来上がってるんですよね。先のことはわからないんだけれども、今回のように世界選手権に出場したりすると「またもう少しやってみようかな」って思っちゃうんですよ。今は脚も痛くなったり色々とあるんだけど、体重を落としてひとつ下の階級で戦ってみようかなとか、挑戦する理由が出てくるんですよ。M:ありがとうございます。澤選手にとってベンチプレスとは何ですか?S:達成感です!この日は、ベンチプレス大会に出場無理して下ろしたしている立川談慶師匠のフォームチェックの指導も兼ねてということでしたが、一旦ベンチのこととなると次から次へと注意点等が飛び出す「ベンチ愛に溢れる」澤選手の姿がとても印象的でした。「太り過ぎ」といわれて通ったジムでベンチにハマり、世界選手権で20連覇という偉業を達成できたのは、そこに固執しすぎず、緩急を付けた緊張感を維持することにあるのかと感じるインタビューでした。減量に成功し、また世界記録を樹立する日もそう遠くないと思います!東京都出身20歳過ぎでボディビルに出合い池袋にあるジムへ通う。昭和の終焉に「本場でトレーニングしたい」と決意し渡米。20年間アメリカで暮らす。在米中はリポーター、そして写真家として活躍、93年にはマスキュラーデベロップメント誌のチーフ・フォトグラファーとして年間契約。手から「大会自体よりもこのビデオに出たい!」と評判に。2008年に帰国し現在は静岡県内の山中に暮らす。1992NPCM●岡部みつる(文・写真)r.LA.ライト級優勝  . あると思うんですが、日本代表にはどのように選出されましたか?S:ちょうどその頃、2001年ですね、全国マスターズベンチ選手権というものが初めて開催されて、当時はクラスがマスターズ1~3までしかなかったんですが、それに出場して優勝できました。それで、世界選手権への出場権を得た形になります。因みに、世界マスターズもこの年が初回開催となります。M:第一回から出場しているんですね! 今回20連覇ということでお話を伺いに来ているんですが、そうなると日本のマスターズベンチの歴史、世界でもということになるかもしれませんが、マスターズベンチの歴史はすなわち澤選手の歴史ということなんですね!S:そういわれれば、そうかもしれませんね。M:初めてベンチをやったときに50 の第一回のマスターズベンチ選手権に出場し、そのときにはどのくらいの記録を樹立したんでしょうか?S:初めてベンチやってから一年くらいで大会に出場しましたね。そのときには、世界大会で97·5 した。M:一年でほぼ倍って、もう笑っちゃいますね!スというものに、澤さんは興味を持たれて世界大会で20連覇という偉業を達成されているわけですが、何が興味を掻き立てたんでしょう?S:やっぱり、持ち挙げたときの達成感ですね! のときの緊張感ですね。M:初めて世界大会へ出場した頃のトレーニングについて教えてください。S:その頃はパワーハウスを吉田さんご夫妻がやられていて、三土手さんがついてくれてベンチに関する全てを手解きしてくれました。なので、通の方からは三土手さんの挙げ方に酷似していると良くいわれます。三土手さんの指導がなかったら、ここまで来てなかったと思っています。(註:吉田進、日本パラパワーリフティング連盟理事長、三土手大介:ベストリフト全日本ベンチ選手権18回優勝者)その頃は週に3回通っていて、ビッグ3といわれるベンチプレス、スクワットとデッドリフトをやっていました。パワーの大会にも出場していましたから。全日本選手権の一般の部で4位でしたね。それがそのようなベンチプレそれに加えて、試合一年間でほぼ倍の挙上重量に進化達成感と緊張感kg で澤  千代美 (さわ ちよみ)1949年11月11日生まれ兵庫県西宮市出身 のちに日野市在住 20歳から東京都八王子市に在住 現在72歳 50歳のときに定期検診にて「太り過ぎ!」と医師に勧告されキックボクシングジムへ そこで50kgのベンチを挙上しハマる 2001年第一回マスターズベンチプレス全日本選手権で優勝し世界選手権にも出場 世界ベンチプレス選手権大会2022マスターズ4(70〜79歳)エクイップ部76kg級・5月21日カザフスタンにて開催、第3試技で107.5kgを挙げて優勝し20連覇を達成 ベストリフターにも選出 現在69kg級の出場を目指して鋭意減量中96年から始めたビデオ「オリンピアへの道」は選55歳くらいのときで、トータルはカザフスタンで5月に開催された世界選手権1位の盾とメダル金色の輝きを放つ!11kg 挙げて、それからどれくらいでそCool aging

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