といった説明が為されます。私自身もずっとそのように伝えてきました。ただ今回、増量を始めるにあたって「人生最後の増量期」になるかもしれないと考えたとき、一度すべての前提を疑い、自分なりにゼロから考えてみようと思うに至りました。すると「体脂肪がつくのも厭わず筋肉量を増やす」との目的に対して「高強度かつハイボリュームかつ高品質なトレーニングを高頻度で行ったうえで、栄養面(と休養面)のリカバリーを万全の状態で行う」という手段のほうに、改めて目が向きました。強烈な筋トレに対する、強烈なリカバリー。結果としてリカバリーのほうが上回るから、増量が進む……。そう、増量はあくまで結果なのです。こ れ、当たり前のことすぎて盲点になっているのではないでしょうか。ビルダーの皆さん、増量期=たくさん食べられる時期との発想になっていませんか? 切なことは、食べる手前にあります。増量を取り入れたボディビルディングの成功/失敗の分かれ道は、極限のバルクアップトレーニングができているか否か、です。となると、次に「極限のバルクアップトレーニング」について考える必要が出てきます。先ほどと同じように前提を取っ払って「高強度かつハイボリュームかつ高品質なトレーニングを高頻度で行う」ことに向かい合った結果、私がたどり着いたのはプレートだけでなくバーベルカラーをも駆使した挙上重量のコントロールです。高強度を求め続けていくと、プレートの一般的な最小値である2.5 kg(1.25 kg×2枚)のプラスですら大きな段差に感じられるときがきます。今までの私は、その段差を乗り越えんとするのではなく、すぐに効かせるテクニックに走っていました。チャレンジすることを、はなから諦めていたのです。効かせるトレーニングに意味が本当に大皆さん、こんにちは!4年ぶりとなる大会出場に向けて、目下ボディビルディング中のバズーカ岡田です。近年、筋肉業界ではクリーンバルクが主流となっていますが、私は久しぶりということもあり増量期を設けて、じゅうぶんにバルクアップしてから絞りに入るオーソドックスなスタイルで取り組んでいます。そこで、今回は私自身が感じ取った【増量期を設けることのメリット/デメリット】についてお伝えしたいと思います。まず、今回の大会出場は4年ぶりの復帰戦であると同時に、昨年の約二ヶ月の入院による競技力低下からの復活という難題があります。そして、人生で最後とするつもりです。ボディビルそのものは生涯続けていく所存ですが、競技者としてはここで一旦、区切りをつけようと考えています。実は、この決意こそが増量期を設定することの意義を最大限、引き出してくれました。有限という要素が、ボディビルにまつわる行為の意義を深く考えて、ひとつ一つを達成させるためにとてもよく働いたという実感があるのです。よく「増量期とは、体脂肪がつくのも厭わずカラダをサイズアップし、パワーアップすることによって筋肉量を増やす期間」「有限」だからこそ向き合えた、増量期の真の定義絶対に重量&回数を諦めないための、トレーニング秘策人生最後のバルクアップ!?改めて向かい合った「増量期」についてKINNIKUGAKUMitsuru Okabe©08読んで役に立つバズーカ岡田の筋肉学 16
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