ブックタイトルKentaiNEWSvol208

ページ
10/20

このページは KentaiNEWSvol208 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

KentaiNEWSvol208

前回はスクワットに焦点を当てて、紹介しました。しかし、スクワットはキツイ!というイメージから避けている方もいらっしゃるでしょう。スクワットの利点を解剖学的観点から検証しましょう。スクワットは全身運動と紹介しましたが、メインに鍛えられるのは大腿れは、二つの関節を同時に屈曲、伸展することになって、局所的な伸張が起こるためと考えられています。ハムストリングスの筋は大腿二頭筋短頭以外、二関節筋です。肉離れの原因はウォーミングアップ不足、柔軟性の不足等もありますが、筋力不足や筋力のアンバランスも主な原因の一つです。したがって、スクワットを行ってもレッグカール等の種目で、ハムストリングスをさらに強化するのは怪我予防の観点からも意味があります。また、ナロースタンスでのデッドリフトもよいハムストリングスのエクササイズです。四頭筋です。この筋肉は文字通り、4つの筋頭から成り立っています。内側広筋、外側広筋と中間広筋は単関節筋ですので、膝の伸展のみに関与しますが、大腿直筋は二関節筋ですので、股関節の屈曲にも作用します。スクワットの代用エクササイズとして、採用されるレッグエクステンションマシンやレッグプレスは、ほとんどの場合、座位または股関節屈曲位で実施するようにデザインされており、二関節筋である大腿直筋は緩んだ状態で実施することになり、膝伸展への関与が少なくなります。大腿直筋は、歩行の際、足をあげる役割を果たしている重要な筋肉ですが、スクワットの代用エクササイズでは、他の単関節筋が主に鍛えられることになります。これが大きな違いです。股関節屈曲筋である大腰筋、腸骨筋もスクワットで鍛えられていると考えられています。腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)は姿勢の維持をするために重要な筋です。歩行でも使われる筋肉ですので、マシントレーニングだけを行っている場合は、有酸素運動としてだけではなく、腸腰筋を鍛える目的でも歩行をトレーニング種目として見直してみるとよいでしょう。しかし!歩行ではほとんど使われない大臀筋を鍛えるにはやはりスクワットが一番です。大臀筋は股関節の伸展、外旋に作用する筋肉です。スクワット以外で鍛えようとしても、階段を昇る、ジャンプ等、結局かなりエネルギーを要するエクササイズを余儀なくされます。スクワットのスタンススクワットのスタンスについて、極端にワイドスタンスは、内転筋群が主に鍛えられます。内転筋群は日常動作で活躍する筋群ではありませんし、大腿四頭筋を鍛えることを目的としている場合、やはり、最もワイドでも肩幅程度にするべきでしょう。肩幅から腰幅程度が大腿四頭筋のエクササイズとしてのスクワットとして最適といえます。重量を追及する場合はまた異なるストーリーになります。別の機会に述べることにしましょう。スクワットでハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)もある程度鍛えられますが、ハムストリングスは、肉離れがよく起こる筋肉です。肉離れが頻繁に起こる筋肉は、二関節筋であることが多いです。そハムストリングス(大腿二頭筋)大腰筋大腿四頭筋腸骨筋大腿直筋※中間広筋は大腿直筋肉の下にあります。外側広筋内側広筋大腿四頭筋イラスト:湧川盛洋スクワットレッグ・エクステンションベーシックトレーニングトップアスリートによるビギナーのためのVol.26スクワットの利点中井敬子(なかいけいこ)●東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了/健康運動指導士/2010年世界パワーリフティング選手権大会女子52kg級8位撮影協力POWERHOUSEPOWERSPORT効果的なエクササイズ「スクワット」10